Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

NEWS

2016.9.25

新型セレナのエンジンにはGT-Rのエンジンコーティング技術が採用されている!

■先代から継承したプラットホームをきめ細かく熟成

新型セレナは、先代から評価の高いプラットホームを熟成させることで、基本性能を向上させています。

ボディでは高張力鋼板の利用を拡大するとともに、結合部構造の最適化とサス取り付け部等の補強により、剛性アップと軽量化を両立しました。

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サスペンションも、フロントはストラット、リアはFFがトーションビームで4WDがマルチリンク式を継承。リアダンパーをサイズアップして、安定感のある乗り心地に改善しています。

またデュアルバックドアでは、上半分のバックドアを樹脂製して、大幅な軽量化を実現しています。

■GT-R譲りのシリンダーコーティング技術

新型セレナのエンジンは型番こそ変わりませんが、中身は大幅に改良されました。

一番のポイントは、圧縮比を11.2から12.5に大幅に高めたこと。高圧縮比による効率向上を実現するために、日産は様々な技術を投入してきました。

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中でも注目なのが、エンジン冷却効果を高めるためにシリンダー内の鋳鉄ライナーを廃止して、低炭素鋼の薄膜コーティングを採用したこと。

これはGT-Rのエンジンに使われている先進技術で、新型セレナでは更にシリンダー研磨まで実施。この「ミラーボアコーティング」によって、冷却効果に加え、大幅なフリクションの低減を実現しました。

このように1000万円のスーパースポーツカーの技術が、ファミリー向けのミニバンに採用されることこそ、技術の進歩であり醍醐味だと思います。

■第539弾新型セレナのすべて (電子版はこちら

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(拓波幸 としひろ)

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